そろそろ雛人形を飾る季節ですね。
我が家にも昨年嫁いだ長女のお雛様があります。7段飾りの物で私の実家が用意してくれた綺麗なお顔をしたお雛様。
私も長女も気に入って大切にしていました。
さて、長女に女の子が生まれたら、お下がりとして、この雛人形を譲ってもいいのでしょうか?
調べてみた結果は、雛人形のお下がりは「本来は」避けるべきもの だということでした。
それは雛人形の歴史や由来に根拠があります。
ただし、現代の暮らしに合わせて考えた場合に私が出した結論は、気に入っている雛人形は家族が納得すれば譲って受け継いでいけばいい!!です。
でも、世間にはいろんな意見があります。
何も知らないままにお下がりを使っていて、親戚や友人にいろいろ言われて悲しい思いや腹立たしい気持ちになるのは嫌ですよね。
きちんと理解した上で、自分たち家族にあったスタイルを選んでいきただきたい、と思います。
では、早速詳しくみていきましょう。
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雛人形のお下がりを避けるべき|その理由
「雛人形のお下がりは避けるべきだ」という理由には大きく分けて2つあります。
●雛人形には災いを身代わりに受け取ってくれているので、お下がりには災いまでついていく
●本来、雛人形はあくまで、ひとりにひとつ
詳しくご説明します!
雛人形のお下がりには災いまでついていく
「雛人形には、持ち主の女の子にふりかかる穢れ(けがれ)や災い(わざわい)を身代わりに受け取ってくれるという役目がある。
だからお下がりの雛人形は、既に前の持ち主の穢れや災いを身にまとっているので、それを引き継いでしまう事になる」
つまり縁起がよろしくないので、やめるべきだという考え方です。
この雛人形が持ち主の身代わりになって、穢れや災いを引き受けてくれる。という話は、もともと雛人形の起源のひとつが「流し雛(ながしびな)」だったという由来からきています。
「流し雛」とは、身のけがれを紙でできた人形(ひとがた)に託して水に流し、厄をを祓う(はらう)という平安時代からの習慣で、現在でも各地で「流し雛」が毎年おこなわれています。
鳥取県用瀬町の「流しびなの館」によると
もともと物忌みの行事で、紙などで人形(ひとがた)を作り、これで体をなで、災いをその人形(ひとがた)にうつして川や海に流す行事から生まれた風習です。
この行事がいつの頃から始められたのか、文献等の記録が少なく定かでありませんが、「源氏物語」に源氏の君が祓いをして人形(ひとがた)を舟に乗せ、須磨の海へ流すという著述があり、雛流しそのものの原型は、遠く平安時代にさかのぼるといわれています。
引用:鳥取県用瀬町「流しびなの館」http://nagashibinanoyakata.jp/
ということですので、起源はとても古そうです。
引用:鳥取県用瀬町「流しびなの館」http://nagashibinanoyakata.jp/
この「流し雛」の考え方から
「お雛様のお下がりには元の持ち主の災いまで付いてくるので縁起が悪い」
となりました。
雛人形はひとりにひとつ
上述の「流し雛」の考え方の通り雛人形は持ち主の女の子の守り神的存在だと考えると、当然、ひとりにひとつ、必要になります。
実際にお人形店に電話をして確かめたところ。。。
「三人姉妹ならそれぞれに雛人形が必要というのが基本です。もし、飾る場所や費用の点で難しいなら、次女には市松人形、三女には木目込み人形、などという形をお薦めします。」
と言われました。
「え?そんなに長女ちゃんと差があったら、なんか次女ちゃんや三女ちゃんが可哀そう・・・」と正直思いましたが(笑)
話を戻しますが、ひとりにひとつのお雛様というのが基本なら、母の雛人形はあくまで母のものなので、産まれた女の子のためには新しい雛人形を買うべき。
次の世代に譲っていくべきものではない。
という話になります。
ここで知っていただきたいのが、もうひとつの雛人形の起源。
雛人形の原型は、平安時代の貴族階級の女の子がおままごと遊びである「ひいな遊び」で使っていた人形です。
貴族が自分の財力を誇示するために、自分の娘のお人形や道具を豪華な物にしていったとか。
それが、江戸時代に贅沢品だと言われ、ある程度簡素な物になり、現在の雛人形の形になりました。
江戸時代初めには上流階級の嫁入り道具の一つともされていました。
昔は女の子が生まれたら健やかな成長を願って飾り、その子が嫁ぐ際には婚家へ持って行ったわけです。
ですから、旧家に行くと雛人形がいくつも座敷にあったりしますが、あれはその家の娘の物ではなく、母、祖母、大祖母と、その家の先祖代々の女性たちの嫁入り道具の雛人形が飾られているわけですね。
あくまで、ひとりにひとつの雛人形。
3人姉妹でも共有はせずひとりにひとつが基本。
姉から妹、母から娘など家族間でも譲るものでは無くて、女の子が産まれたら新しく買い整えるべきもの。
というわけで、お雛様の原型の「流し雛」と「ひいな遊び」の2つの起源から考えると、母から娘にお雛様を譲るのは、「本来は」避けるべきものだということになります。
現代のお雛様をどう捉えるか?
で・す・が。。。。
ここで現実に戻って、私の場合に当てはめると。。。
我が家は、たまたまひとり娘だったので大丈夫でしたが、もし、娘が3人なら3つのお雛様を飾るのが望ましい。
といわれても、実際には置き場所や費用の点で買わなかったと思います。
せいぜい、次女、三女には市松人形を購入するくらいかな?
さらに、紙で出来ていて毎年ごとに災いを移して川に流す「人形(ひとがた)」と現代の雛人形を同じように考えるのは、現実的ではないと思います。
立派でよく手入れされて気に入っているお雛様を再びリユース(再利用)するのは、今の時代だからこそ素敵なことだと思います。
お雛様は長い歴史の中で、時代に合わせていろいろ変化してきました。
つまり、毎年ごとに川に流せるわけでない現代のお雛様は、平安時代のそれとは、全く違う形で受け継がれるべきものです。
ですから、私は持ち主の女の子の厄を移すという考え方ではなく、健やかな成長を願う「縁起の良い飾り物、お守りもの」としての意味合いで考えるのがいいと思います。
しかしながら、いろんな考え方があると思います。
あとはそれぞれの家族の価値観や住宅事情で決めれば良いと思います。
私は時代に応じた設え(しつらえ)方で、これからも少しづつ変化していくのは逆に自然なことだと考えますがいかがでしょうか?
ただし、何よりも「家族みんなで女の子の幸せを願う」のが一番の目的だということを忘れずにしないと、夫婦や義理両親ともめごとになりがちです。
それでは本末転倒ですから注意しましょう。
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まとめ
雛人形のお下がりは良いの?悪いの?
●雛人形を譲ると災いまでついていく
「流し雛」の由来から
お雛様のお下がりには元の持ち主の災いまで付いてくるので縁起が悪い
●雛人形はひとりにひとつ
「ひいな遊び」の由来から
姉妹でも共有せず、ひとりにひとつの雛人形
ただし、現代の暮らしや考え方に合わせて伝統やしきたりは受け継いでいけばいいので、お下がりとして、リユース(再利用)するのもありです!
家族でよく話し合って決めましょう。
我が家のお雛様、正直なところ、ここ数年は押し入れにしまいっぱなしで飾ってません。
離れた場所で新米主婦として暮らす彼女の幸せを願って、今年はちょっと出してみようかな?と思っています。
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