こんにちは。”アラフィフりすこ”です。
カタカナ職業ということで華やかなイメージもあるインテリアコーディネーターという仕事。
インテリアデザイナーとどう違うのって尋ねられることもしばしばありますし、実際ネットなどではちょっと現実離れした???な情報も多いですね。
インテリアコーディネーター歴20年!
工務店勤務から、フリーランスを経て、現在は建築設計事務所で建築士としても働く”アラフィフりすこ”が
【インテリアコーディネーター】
■リアルな仕事内容(働く場所別)
■資格について
■収入
■やりがいと苦労
■向いている人、向いてない人
をセキララに詳しくご紹介します!
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目次
インテリアコーディネーターの仕事
インテリアコーディネーターは顧客から「どんな風に暮らしたいか」「どんな空間にしたいか」をヒアリングし、「こんな雰囲気の空間に住みたい」「こんな機能が欲しい」というアバウトな要望を顧客のライフスタイルや予算をふまえて具体的な形にして提案します。
インテリアに関する幅広い知識・専門的な技術などを駆使し、内外装、家具やカーテン、照明等の商品をトータルにプロデュースすることがインテリアコーディネーターの仕事です。
デザイナーのように感性で勝負!ではなく、また一般のインテリア販売員のように売りたいものをアピールするわけでもありません。あくまでも「顧客の希望を聞いてコーディネートする」ことが仕事です。
そのために照明器具の種類や機能性、壁紙の材質、キッチン設備などの幅広い知識を必要としますので、社団法人インテリア産業協会が主催する「インテリアコーディネーター資格試験」ではそういった知識を問われます。
というのが一般的なインテリアコーディネーターの仕事についての概略ですが、実際の仕事内容はどうでしょうか?
詳しくみていきましょう。
インテリアコーディネーターの仕事内容(職場別)
私は地元の県単位のインテリアコーディネーター協会に所属しています。
ですので、設計事務所で働く私自身以外にも、さまざまな会社に勤務する立場や、独立という形で活躍しているフリーランサーなどいろんな形で仕事をしている、たくさんのインテリアコーディネーターと交流があります。
ひとくちにインテリアコーディネーターと言っても仕事内容は非常に幅の広いものです。
それぞれの働き方についてご紹介します。
施工会社(ハウスメーカーや工務店)の場合
インテリアコーディネーターの資格を活かして仕事をする場合、働く場として選ぶことが多いのがハウスメーカーや工務店など、施工(建物を建てること)をする職場です。
県単位のインテリアコーディネーター協会にも、ハウスメーカーや工務店からの人材の問い合わせは年中入ります。それだけ需要があるということですね。
仕事内容を紹介します。
■ハウスメーカー
既にプランや仕様が決定している段階の顧客とインテリア関係についてハウスメーカーが用意している相談室で打合せをします。
壁や天井のクロスの色柄や床のフローリング、ドアやキッチンやユニットバス、サッシの色、カーテンなどを選ぶお手伝いをします。
お手伝いと表現したのは、ハウスメーカーの場合は建築契約をした段階で既に仕様のグレードが決定していることが、ほとんどですので、あくまで会社で準備しているカタログの中から、決めていくという形です。
つまり、いちからインテリアイメージを作り上げていくというよりも、会社が事前に決めた枠の中で、床の色と壁の色、キッチンの色がチグハグにならないように、コーディネートしていくためのアドバイスをして、具体的な品番を決めていく。というのが仕事内容です。
正社員という形での雇用が多いですが、会社によっては嘱託社員であったり、年ごとや案件ごとの契約社員という形の場合もあります。
その勤務するメーカーの仕様さえきちんと理解していれば、それほどインテリアの本質的な知識やセンスは必要ではなく、むしろ顧客の「もっとこんな風にしたいんだけど・・・」という要望を受け止めつつ、「こちらの商品でもイメージに近い感じで素敵になりますよ」と納得してもらえるように話をもっていく、コミュニケーション力が必要とされます。
事前にプランや仕様が決まっているため、オリジナルな提案や深く突っ込んだ話はしなくてもいい分、本当にインテリアに興味があるインテリアコーディネーターの場合は物足りなく感じる場合もあるかもしれません。
決めた品番などは会社の中の担当部署に報告すれば良いので、見積もり書の作成や値段の交渉などは必要がありませんので、そういったこと(お金の話し)が苦手な方に向いています。
施工段階で顧客と打合せする必要もありませんので、ハウスメーカーのインテリアコーディネーターには現場仕事もありません。いろんな職場がありますが一番スマートに働ける。この点も特徴です。
正社員かどうかの立場で違いますが、会社の規定で休日はきちんと決まっています(平日が多いです)
繁忙期には残業なども増えることもあります。
■工務店
ハウスメーカーとよく似ている部分もあります。
違うのは会社の規模や方針によっては、契約前の段階から営業担当者の補助的な役割で顧客と関わる場合もあります。
ハウスメーカーほど仕様がマニュアル化されていない工務店が多いので、オリジナルなインテリア提案を求められることがある場合もあります。
さらに施工中の現場での顧客との打合せや自分自身が現場に出向いて、職人さんや監督さんと打合せしたりする事があります。
最近の顧客は情報収集力があるので、インスタグラムで見たインテリアデザインやネット通販で見つけたインテリア雑貨を取り入れたいとのご要望もしばしばあって、いろんな情報にアンテナを立てておかないと追いつかない場合もありますが、知識やセンスがあればそれを発揮する場面も増えるのでそれだけやりがいもあります。
一般的には日曜、祝祭日がお休みが多いですが、会社によっては、モデルハウスへの来客や建て主との打合せの少ない平日を休日に定めていることもあります。
就業時間は一般の会社より早めの場合が多く8時スタートなども。
終業時間は規定は18時くらいですが、実際には施主との打合せや残業などで結構遅めの場合が多いです。
会社によってはモデルハウスに常駐して、そこへ訪れた見込み客さまへの接客対応のみの仕事という募集もありますが、その場合は、正社員ではない場合や土日祝祭日のみの勤務、あるいは休日は平日という設定が多いです。
ショップ・メーカー営業・ショールームなどの場合
物販系に勤務しているインテリアコーディネーターの場合は、現場での施工管理などが発生しないので、インテリアコーディネーターとしての経験が浅い場合に、まずは働いてみるのには一番お薦めです。パート勤務などの形も多いと思います。
■家具販売店、インテリアショップ、照明器具メーカー
こちらに勤務しているインテリアコーディネーターは自社製品についての深い知識や、家具なら家具、照明器具なら照明についての幅広い情報を持っていることを求められます。
ですので、積極的にその分野のスペシャリストになるつもりで、日ごろの生活の中でもネットや雑誌などから最新の情報を得たり、休みの日に訪れたカフェや他社のショールームなどからも積極的にセンスや具体的な事例を学ぶ姿勢が大切です。
使い勝手やメンテナンスなど、より具体的な相談を受ける事が多いので、細やかな気配りでの対応が必要ですが、社内にアドバイスしてくれる人がいれば難しいことは無いと思います。
店舗やショールームに訪れた顧客の接客、相談の上、コーディネートの提案書と見積もり書の作成、納入期限や搬入経路の確認などを担当します。
契約に至れば他の担当者に引き継ぐことも多いと思いますが、小規模な事業所だとその後のアフターフォローも担当する事も。
現場での打合せはほとんどないと思います。
勤務した店舗によりますが、土曜、日曜、祝祭日は来客も多いので休日は取りにくく、平日にお休みが多いのが一般的です。
就業時間は10時から、など遅めスタートですが終わるのが19時など遅めの場合も多いです。
■設備機器メーカーのショールーム
TOTOやパナソニックなど住環境関連のメーカーショールーム勤務はその多くが、本社採用ではなく、ショールーム専門の部署の子会社の社員採用、あるいは嘱託社員として勤務します。
ショールームに訪れたお客様や同行している工務店などの担当者に対して、接客、商品の説明、見積もり作成をします。
自社の商品についての深い知識をまずは求められるのですが、社内のマニュアル化された研修が徹底されているので心配する事はありません。
ただ、カタログの中の非常に多くの事柄を憶えたり調べたり必要がありますので、センスには自信があるけどそういう事務的仕事は苦手という方には辛いかもしれません。
現場での打合せなどは無いですが、メーカーによっては工務店や販売代理店に出向く営業マンに同行する事もあります。
シフト制で休日はきちんと取れますが、土曜、日曜、祝祭日に休めるとは限らず、むしろ休日は来客が多いので平日にお休みが多いのが一般的です。
設計・デザイン関係の場合
■建築設計事務所・インテリアデザイン事務所
一戸建てやマンション、施設などの新築及びリフォームのインテリアコーディネートのほか、収納や造作家具の設計と現場監理を担当します。
具体的には「平面図や展開図、設備図、立面図、家具図」などの図面、CGやスケッチ、パースを描く技術が必要とされます。
当然、建築的な知識や経験が必須ですので、一般的には建築士やインテリアプランナー(共に公的資格)などの資格をもっていることが前提です。
それにプラスしてインテリアコーディネーター資格を補助的に持つという感じです。
その他にも照明プランナー、カラーコーディネーター、キッチンスペシャリスト、福祉住環境コーディネーターなどの他の民間資格も同時に持つ場合も多いです。
仕事内容は顧客からひきだした要望をくんで提案をする能力が求められますし、自分のセンスを発揮するチャンスがある分、多くの知識と経験が必要になります。
自分が考えた設計、デザインがそのまま形になり、それが顧客に喜ばれる仕事ですので苦労は多いですがやりがいも多いといえます。
顧客とはもちろん、施工者(工務店の監督や職人さん)との密な打ち合わせが必要なので、コミュニケーション能力も大事です。
休日や待遇はその事務所によりけりですが、一般的には勤務時間は長く、土日はもちろん深夜にわたる打合せなどがある場合があります。
独立インテリアコーディネーター
インテリアコーディネーターとしてフリーランス(独立)で活躍する場合は主に2つのスタイルがあります。
2つの大きな違いは。。。
A)顧客と契約をした他社から依頼されてインテリアコーディネート報酬をもらうか、B)自分自身が顧客に直接依頼されてインテリアコーディネート契約を結んで報酬をいただくかです。
A)の場合は、いわゆる下請け的な業務になります。
独立した当初はAのスタイルで仕事をしていて、実績が増えた時点でBのスタイルに移行していく場合や、AとBをミックスする形で続けていく場合。こだわりが強いので最初からBのスタイルの場合など、いろんなパターンがあります。
■A)スタイル:工務店やハウスメーカーからインテリアコーディネート業務を委託契約で請ける場合
既に契約済みの顧客に対して、工務店やハウスメーカーから指定された範囲の中で床や壁などの内装仕上げ材や照明器具、カーテン類の提案をしていきます。
現場での打合せなどが発生する場合は多くありません。
主に工務店やハウスメーカーの社内の打ち合わせ室に出向いて対応します。
これは独立したとはいえ、インテリアコーディネーターとしての経験値がそれほど長くなく、自分自身で営業して仕事をみつけることが難しい場合に向いています。
・定期的に仕事の依頼がある
・直接顧客と報酬についてやりとりしなくて良い
・打ち合わせ場所は工務店やハウスメーカー社内なので自分の事務所を構えなくてよい
という利点がありますが、仕事の依頼者は顧客ではなく、工務店・ハウスメーカーなので”これがこのお客さまにとってベストだ”と実はわかっていても常に工務店・ハウスメーカーが不利益にならない提案を心がける必要があり、自由に提案出来るわけではありません。
■B)スタイル:顧客から直接依頼を受けてインテリアコーディネート業務を行う
自身で事務所を準備して(場合によっては自宅の一室で)インテリアコーディネーター事務所として活動することです。
こちらはインテリアコーディネーターとして知識や経験を積んだうえで、より独自のセンスを活かして顧客に良い提案をしてスペシャリストとして仕事をしていきたい場合に一番向いているスタイルです。
新築やリフォーム予定の顧客から問い合わせがあった場合に、面談して要望や予算をお伺いした上で提案をまとめ、気に入ってもらえれば直接インテリアコーディネート業務契約を結び仕事を進めます。
インテリアだけでなく建築的な要素も含めて相談があった場合は、協力してくれる建築士などにアドバイスを受けて対応します。
自分のペースや流儀で仕事を広げていける面白さがありますが、仕事の獲得のための販促活動やHP作成など、常にアンテナを立てての自らの営業活動が必要です。
独立後最初のうちはほとんど仕事がないことも多いので運転資金も必要です。
仕事時間とプライベート時間の見定めが難しく長時間労働、休日なし、になりがちですが、逆に自分でコントロールもしやすいともいえます。
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インテリアコーディネーターの収入
インテリアコーディネーターとひとくちに言っても、上記の様にさまざまな働き方があるので、平均的な収入というくくりは難しいと思いますが、正社員でお勤めする場合は基本的に同年代の一般的な事務職と変わらないと考えてもらえれば良いかと思います。
インテリアコーディネーター資格は民間資格でもあるため、専門職としての高収入は期待できません。
むしろ勤務時間の長さや土日出勤の多さ、責任の重さ、顧客からの期待値の大きさに伴うストレス、などを考慮するとその苦労に対して収入は低めではないかと思われます。
独立インテリアコーディネーターですと、ピンからキリまであるのが実態ですがやはり他の業界のデザイナー系フリーランスと同じで、残念ながら一般的な同年齢の平均収入より低めなのが実態です。
インテリアコーディネーターの資格
性別・年齢・学歴・実務経験などの受験制限がないため、誰でも挑戦しやすい資格です。
全体の合格率は例年25%前後。
参考|公益社団法人 インテリア産業協会 平成27年度 業種別の合格者数
一次試験(学科)は、インテリアに関する知識全般を問い、マークシートによる択一式の出題。
二次試験(プレゼンテーション・論文)は、出題された課題について理解し、平面図や立面図等の図面や言葉で表現するものです。
資格試験対策は、通信教育や各種専門学校、独学などです。
未経験者でもしっかり学ぶことで合格するとされていますが、二次試験をクリアするためには、なかなか未経験&独学では難しいというのが正直なところです。
業界未経験で図面などを描いたことがないなら、最低でも通信教育などでしっかり二次試験対策を受けた方がよいと思います。
【一次試験】
試験日|毎年10月第一日曜日
- 試験地|全国12会場
試験科目学科|マークシートによる択一式
【二次試験】
試験日|毎年12月第一日曜日
- 試験地|全国12会場
試験科目学科|プレゼンテーション・論文(180分) 記述式
※詳細な情報は(社)インテリア産業協会のホームページでご確認ください
インテリアコーディネーターの苦労とやりがい
インテリアコーディネーターの苦労
●業界内の立ち位置が低いので、特に他の関係職種(建築士やハウスメーカー営業)と折衝する場合に意見が通らない事が多い。
●作成した見積書や納期などが間違っていた場合の損害が大きい場合があるので責任が大きい。
●土日祝祭日に休みが取れない場合が多い。さらに長時間労働の場合が多い。
インテリアコーディネーターのやりがい
●自分の知識やセンスを活かす事が出来る
●自分の提案したものが形になるのを見る事ができる
●顧客のことを考えて努力した結果、感謝されることが多く喜びを感じられる
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インテリアコーディネーターに向ている人向いてない人
インテリアコーディネーターに向いている人
●インテリアが大好き!インテリアの情報ならいくら調べていても飽きない人
●人の相談にのったり、役に立つことに喜びを感じる人
●常に学び、努力をするための向上心が強い人
●技術系の能力とサービス業の能力の両方をバラスよく持っている人
インテリアコーディネーターに向いていない人
●自分のセンスを評価してもらいたいデザイナー思考の人
●接客や人と深く関わること、コミュニーケーションが苦手な人
●長時間労働が苦手で、勤務時間とプライベート時間の区別をつけたい人
まとめ
インテリアコーディネーターは、インテリアについて深い知識をもち、専門職としての側面とサービス業としての側面を併せ持った仕事です。
デザイナーとは違った能力が求められますが、インテリアが大好きで自分のセンスを活かしつつコミュニケーション力が高い方なら、やりがいの感じられる職業です。
ただ、収入や労働時間の長さについてはなかなかシビアな部分もありますので、これから目指そうと思っているなら、そのあたりもしっかり考慮して取り組んでいかれたら良いと思います。
この情報がインテリアコーディネーターの仕事内容をリアルに知りたい方のお役に立てればうれしいです。
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