認知症の親がお金に執着して困った時に成功した対策【体験談】

タイトル下リンク広告

こんにちは”アラフィフりすこ”です。

実家の母はアルツハイマー型認知症です。

現在は要介護1でデーサービスに週4回通いながら、実家で一人暮らしを続けています。

私が家族と暮らす家と実家は車で15分程度なので、頻繁に様子を見にいく感じでサポートしています。

そんな母との間ではいろんな問題がおきます。

今回は母の「お金への執着」が原因で過去に起きたトラブル

〇母が認知症と診断される前後の頃

〇認知症と診断されて投薬治療などもはじまってから

の2つのタイミングに分けてご紹介していきたいと思います。

スポンサーリンク

【認知症診断前】それは4年前の預金通帳から 

まずは8年前に母と二人暮らしだった父が亡くなった際には、母は金銭管理はちゃんと出来ていました。

実家では亭主関白だった父が金銭管理をすべて行っていたので、「もしかしたらトラブル発生かな?」と思っていたのですが、おおむね大丈夫でした。

葬儀の諸経費の支払いや相続や名義変更の手続き。

あれやこれやを、仲の良い自分の妹(私にとっては叔母)に手伝ってもらいながら済ませました。

そしてその後、父から相続した預貯金と年金で母は悠々自適な生活を送っている

はずだったのですがっ!!!!

4年前のある日、ふと預金通帳を見せてもらったら、

ものすごく不可解なお金の出し入れを発見!

出し入れといっても、収入は年金だけで、あとは電気代などの引き落としと本人がキャッシュカードで生活費をその都度、引き出すだけなのですが。。

なんと!!1ヶ月の間に10万円づつ3回も引き出されていたり、10万円が引き出されて、10日後に20万円が引き出されていたり。

計算すると半年あまりで300万円ほどが引き出されていたのです。

本人に確認するも話はかみ合わず

生活はいたって質素なので300万円も消えちゃったのが本当に意味がわからなくて、

母に通帳を見せながら

「ほら、これっ!!この日に出したお金どうしたのっー?」

と本人に問いただすのですが

「知らん、そんな贅沢してない!」

「わからん!何も使ってない!」

の一点張りでしまいには喧嘩になって母は泣き出す始末。

話が全くかみ合いません。

このふってわいたような出来事に私は驚いて、ちょっとパニック状態でした。

とりあえず通帳・印鑑を預かることに成功

「とりあえず、通帳と印鑑、キャッシュカードをなんとかして一旦預かった方が良いよ」との夫の冷静なアドバイスで、私も我に返って早速実行。

でもこれは正攻法では失敗しました。

「お母さーん、通帳とか預かろうか?」

「お母さん、ちゃんと自分で出来る!」

「ほっておいて!!」

と言い張って本当に困りました。

多分、使い道がわからないお金の事で私からずいぶん責められたので

本来、母は大人しい素直なタイプだったはずですが、こじれてしまったんだと思います。

うーん、どうしよう~????

考えまして。。。。

(消えたお金のことは忘れたふりで)

「お母さ~ん!うち、小さい金庫買ったんだよ!」

「最近はぶっそうな世の中やで、通帳や印鑑やキャッシュカード預かってあげるよ!その方が安心やろ~?」

と母の機嫌の良い時に伝えたら、あっさりと了解がとれました!!!

おおっー!!!!

もともと、鞄とかすぐに置きっぱなしで平気な私と違って、旅行に行った時とかも

旅館の部屋の金庫やお風呂の脱衣場の鍵付きロッカーが大好き!

な慎重派の性格だったので、これは思ったとおり大ヒット!!

早速うちに来てもらって自分で金庫に入れてもらい、その開け方を伝えました。(開け方とか暗証番号はあっさりすぐに忘れてくれました 笑)

(金庫は母が来る前に一番安いやつを急いで買いました)

「これはいいわ~。安心したわ~]

「いつも出かける時に心配で怖かったんやって~」

と上機嫌。

どうも、出かける時は手提げかばんに「通帳と印鑑とキャッシュカード」を入れて歩いていたらしい。。

あぶない。あぶない。。。。

「良かった。これでとりあえずは心配が減るわ」

とひと安心。。。。

ところであの300万円はどこにいったのか?

実はいまだに不明なのです。

あの時点で既に母の認知症が始まっていて、

キャッシュカードで出したお金をどこかに片づけて見失ったか?

はたまた気前よく誰かにプレゼントしまくってその事も忘れてしまったのか?

私の知らない間に悪徳商法にひかかったか?

謎です。

いずれにしても

体は元気だったし、家事などが得意で几帳面な母は一人暮らしでも大丈夫だと、娘の私があまり丁寧に気にかけてあげなかったのが悪かったな~

と今だから思います。

ま、後の祭りってやつですけどね。トホホ。

とにかく大事な物は預かったから、当面のピンチは乗り越えた!

という感じでほっとしたんですが、その時は後から始まるトラブルに気がついていませんでした。

【認知症診断後】お金への執着からトラブルに

その後まもなく母には他のおかしな行動が続いたので、大きな病院の脳神経外科で検査をうけました。

結果は予想通り「老人性のアルツハイマー型認知症」の初期段階でした。

すぐに地域のケアマネさんにも相談して、週に2日のデーサービス通いを始めました。

ずっと月に一度の専門医の診察と進行を遅らせる薬も服用しています。

お金の管理については、

・例の金庫で預かった預金と年金の中から私がキャッシュカードで下ろした生活費を渡して、食材(この頃は食事の用意が自分で出来ました)や必要な日用品(トイレットペーパーとかシャンプーとか)やおやつなど欲しいものがあったら近くにあるスーパーへ散歩がてらに買いに行く。

・週に1度の近所のかかりつけ医の支払いをする

というスタイルにしました。

最初の1年間くらいはそのスタイルがうまく廻っていたんです。

買い物をしたレシートもちゃんと取っておいて私に見せてくれて

「明日はスーパーのポイント5倍セールだからお買い物行くわー」

って話したりしていまして、順調でした。

でも、認知症の母には、その数万円のお金の管理がだんだん負担になったようです。

次第にその渡したお金を片付け忘れる、あるいはお財布ごと無くしてしまうようになりました。

前日に渡した1万円が跡形もなく次の日にはどこかに消えてしまうのです。

いったいどうなってるの?

と母をデーサービスに送った後、実家の家の中を捜索してみたら。。

紙に包んだ上で封筒に入れられたり、小さなきんちゃく袋に入れられて丁寧にリボンで結んだ1万円札が布団の間や茶箪笥の奥の奥からいくつも出てきました。

本人は全く意識していないと思うのですが、認知症の影響でお金に対しての執着心が強まって、大切にしなきゃ、と思うあまり異常な行動になっている様でした。

もともと贅沢が苦手で倹約家の母でしたが、お金に執着するような人柄では無かったので、最初にみつけた時は、正直ショックでした。

そのうち。。。

「お金なんてもらってないーっ!!」

「お金が無いから、なーも買えんーっ!!」

「あんた私の財布持って帰ったでしょうーっ!!」

私からお金をもらったことも忘れてしまうようになって、その度に大騒ぎ!

しまいには、「町内会費を集めに来てくれた近所の人が財布を持って帰った」とか

「泥棒が入って盗まれたから警察に電話して」

とまで言い出す始末で。。。

それはもう大変でした。

この物盗られ妄想は認知症の人にはとても良くある症状だそうです。

それは母が認知症だとわかってから、いろいろ読んだ認知症の本に書いてあったので、知ってはいたのですが、実際に直面すると家族には本当にストレスです。

一番つらいのは本人だと頭ではわかっていても、親から泥棒よばわりされる情けなさとショックと腹立たしさは、介護する家族の心をうちのめします。

それでも、なんとかして乗り越えなければいけないので、ケアマネさんに相談してみたところ。。。

「そういうパターンはなるべくお金を渡さないようにした方が良いかも」とアドバイスされました。

どういう事かというと、人によって違いはあるけれど、母のようにずっと専業主婦で夫が家計を管理していた人の場合は特に「お金を持つこと、管理することが大きなストレス」になるそうです。

そのお金の管理のストレスが物盗られ妄想の原因になることがあるそうです。

スポンサーリンク

物盗られ妄想はおさまりました

それからのここ2年くらいは、母にはまったくお金を渡していません。

前はお散歩がてらに外に出た方が刺激になって良いと思って、食費や日用品の費用を渡していましたが、そのことが母のストレスになっていたと気がついたのです。

今は週に一度私と一緒にスーパーへ出かけて、日用品や軽食を買い、デーサービスの無い日の食事は私が作ったお惣菜をタッパーに詰めて届けています。

ご飯を炊いたり、お味噌汁を作ったり、卵焼きをつくったり程度はまだ出来るので、そういう材料も一緒にスーパーに行ったときに購入します。

お寺からの請求書や市役所からの補助金などの案内書なども、お願いすると全て私の方の自宅に届くように手続きしているので、母はお金のことから解放されています。

母の場合は目の前からお金の存在が消えてしまうと、不思議なくらいお金への執着が消えてしまったようです。

ピタリと物盗られ妄想はなくなり、その部分では(他にもいろいろあるのでそれはまた違う機会に)平和が戻りました。

一緒にスーパーにお買い物をしに行っても、支払うのは自分じゃないと思っているのでレジが済むと、サッサと買い物かごを抱えて、好きなおやつをうれしそうにエコバックに詰め始める様子は、まるで私と親子が逆転したよう。

少し悲しい気持ちもするけど、とにかく今はこの平和がなによりありがたいのです。

認知症の本当のお金の問題はこれから

でも、きっと、介護のお金問題はこれからだ!とも思っています。

今は母が体は元気で、生活費や介護費用を年金や預貯金でまかなえていますが、介護度が進んだらこの先どうなるかは、未知数です。

私には出し入れ出来ない定期預金もありますし、受ける介護サービスによってもかかる費用は全然違います。

まだまだいろんな事がおきそうですが、まあ、考えすぎても仕方ないので、廻りの人の手助けをいただきながら、出たとこ勝負でやっていこうと思っています。

スポンサーリンク

まとめ

〇自分の親はまだしっかりしている!と思っても丁寧に見守ることが事前のトラブル防止には大切。

〇本人の認知症の進行状態や性格によっては、お金の自己管理がストレスになって物盗られ妄想につながることもある

〇物盗られ妄想は家族にはとても辛いが、認知症のせいだと思って感情的にならずにしてやり過ごしながら、何かいい方法が無いか捜すしかない。

今現在、ご家族の介護で大変な思いをされている方に参考になれば幸いです。

<<親の病気で不安な時に想い出してほしい事

RECOMMEND こちらの記事も人気です



シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする